今回は、『感染症プラチナマニュアル ver.7 2021-2022』をご紹介します。
ほぼ毎年バージョンアップしている本書。今回の版からは、COVID-19も追加されました。
まずおすすめポイントから挙げていきます。
本書のおすすめポイント
- 臓器・病態別に治療方針がまとめられており、実用的!
- 感染症治療薬、微生物に関する各論も充実!
- 白衣のポケットに入るコンパクトサイズ!
本書を読んだ感想・レビュー
本書の良かった点はなんといっても、臓器別・病態別の治療法が調べやすい点です。
以下のように分類されて解説されています。
発熱症候群、免疫不全と感染症、上気道感染(風邪など)、耳鼻咽喉科、歯科感染症、
眼科、呼吸器、尿路、中枢神経系、消化管、肝胆膵、循環器・血流感染、骨・関節感染、
皮膚軟部組織感染、性感染症(STI)、発熱性好中球減少症、敗血症性ショック
これだけあれば、めったに会わないような感染症が来ても対応できます。
さらに、それぞれが病態別に解説されています。
たとえば尿路感染症は、
・単純性膀胱炎
・急性腎盂腎炎:軽症・外来治療/中等症以上・入院
・複雑性腎盂腎炎
・腎膿瘍、腎周囲膿瘍
・黄色肉芽腫性腎盂腎炎
・気腫性腎盂腎炎
・気腫性膀胱炎
・腎嚢胞感染
・急性前立腺炎
と分類され、それぞれ抗菌薬と治療期間がすぐわかるようになっています。
また、ベータラクタムにアレルギーがある場合の治療も書いてあるので、
いざというときに役立つでしょう。
臓器別・病態別の治療が調べやすい本というのは意外と少なく非常に重宝しました。
感染症治療薬、微生物に関する各論も下記のように分類されて、掲載されています。
感染症治療薬
:抗菌薬、抗結核薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬、原虫・寄生虫薬、薬剤耐性菌
微生物
:細菌、原虫、寄生虫、真菌、ウイルス、人畜共通感染症、輸入感染症
特に感染症治療薬の章では、腎機能に応じた投与量も記載されており、便利です。
これだけ充実した内容でありながら、8.4 x 14.1 cmとコンパクトで白衣のポケットに入ります。
持ち歩けて、臨床現場で使いやすいのもおすすめのポイントです。
ただ、コンパクトなぶん文字が小さく、通読して勉強するには不向きかもしれません。
同内容で大きいサイズの『感染症プラチナマニュアル Ver.7 2021-2022 Grande』もありますので、机でじっくり読みたい方にはこちらがおすすめです。
Grandeは、だいたいA5サイズ(13.6 x 22.8 cm)です。
おわりに
本書は、初期研修医、修練医が終わってからもよく見返しているお気に入りの一冊です。
ぜひ手に取ってみてください。
コメント